挨拶が大変遅れてしまいましたが,9月1日より鹿屋体育大学体操競技部の部長兼コーチに着任しました山下龍一郎です.
着任後の練習で感じたことや初試合となった先日の九州新人戦を振り返りながら今後の抱負について書かせて頂きます.
私は体操競技を“とても難しい競技”だと考えています.
1つ1つの技が技術的に複雑ですし,それらを10個以上組み合わせて一発勝負の試合で完成度の高い出来栄えをコンスタントに披露するのはまさに“神業”です.
このことを,内村航平選手が『フルマラソンをしながらけん玉をミスらずにするようなもの』と言っていましたが,正にその通りだと思います.
だから選手や指導者は日々,頭と体を使い,気持ちをコントロールしつつ練習に取りくんでいます.
それでも時には,気持ちが参ってしまうこともあります
練習でうまくいっていたのに試合で結果が出なかった時
昨日まで何も考えなくても出来ていたことができない時
コツを掴んだと思ったら次の日には全然できなかった時…
こんな時,ふと“自分に裏切られた”ような感覚になることがあると思います.
こんなに頑張ってるのに,なんで自分だけ,自分には無理なんじゃないか…
こんなことと葛藤しながら競技に向き合う選手や指導者を尊敬しています.
私が大切にしているのは,裏切られたのは“自分”ではなく“自分が信じてやってきたこと”と考えることです.
これだけやったから試合は絶対うまくいくはず!
技のコツはこれに違いない.通しに入れられる!
この捌きなら減点されない!8点は取れるはず!…
“自分”は漠然としていますが,“自分が信じてやってきたこと”は明確です.
信じてやってきてことが報われないのは本当に辛いことです.
信じてやることを変えるのは勇気がいりますが,それに没頭すれば自然と前向きになれると思います.
ものごとの本質,核心に迫れるよう,選手,他のスタッフと協力して“やるべき事”を模索してゆきます.
最後になりますが,鹿屋体育大学の選手・スタッフが“当たり前”にやっていること,考えている事は“非凡”で素晴らしいと感じています.
非凡の先へと成長してゆくために,私自身もできる事を増やしてゆき,“日本一応援されるチーム”の実現に協力できるよう頑張っていきます.
2022年10月19日 山下龍一郎